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<ニュース>
★2022年7-9月
「チェリー・イングラム」が残した桜の伝統は、英国内で確実に根を張り、発展し続けています。
英国東部のサフォーク州で、この夏「サフォークの桜」イベントが開かれました。
イベントは桜の絵画展と、桜を利用して創ったシルクのスカーフの作品展で、会場はサフォーク州グレート・グレナムの農場「ホワイトハウス・ファーム」です。
エマ・グリーンさんの桜の作品展
企画したのはホワイトハウス・ファームの農場主、ジェイソン・ゲイソーン=ハーディさん。ジェイソンさんは、英国貴族の5代目クランブルック伯爵の長男で、6代目伯爵になる人です。彼は桜の愛好家として、10数年前から農場に約60本の桜を植樹してきました。
実は、5代前の初代クランブルック伯爵は、ケント州ベネンドン村で「チェリー・イングラム」ことコリングウッド・イングラムの旧邸宅「ザ・グレンジ」を19世末に最初に建てた人です。イングラムは1919年にこの家に入居し、伯爵が庭に植樹したとみられる2本の桜の木の美しさに魅了されて、桜の専門家になることを決意したのです。
クランブルック家は3代目伯爵の時にサフォーク州に移住して、現在にいたっています。ジェイソンさんは、2019年春に出版された阿部菜穂子著「チェリー・イングラム」英語版を読んでクランブルック家とイングラム、さらに桜とのつながりを知り、そのつながりを知らずに、自身が長年、桜を植樹してきたことの不思議さ、縁に感動して阿部菜穂子に連絡をとりました。ジェイソンさんはその後、桜だけでなく、日本文化のファンとなられ、この夏に「日本」をテーマにして桜イベントを開催したというわけです。
エマ・グリーンさんの作品「松前 静香」
桜の絵画展は、地元サフォーク州在住の画家、エマ・グリーンさんがこの数年、ジェイソンさんの農場の桜を次々に描いてきた作品を展示したもの。シルクのスカーフ展は、やはり地元の染色家、ジェニー・ナットビームさんが、農場の桜の葉や花を利用してシルク布地を染め、創作したものです。
ジェニー・ナットビームさんのシルクスカーフ展
展示会がオープンした7月8日にはロンドン在住で世界的に活躍している和太鼓奏者、廣田丈自さんと若手奏者4人がサフォーク入りして和太鼓の演奏会を開きました。演奏会は満員御礼で早い時期にチケットを完売。大変な評判を呼びました。オープニングにはロンドンの日本大使館から伊藤毅公使(文化担当)が駆けつけてくださいました。
廣田丈自さんらによる和太鼓演奏会
(左から)エマ・グリーンさん、阿部菜穂子、伊藤公使、ジェイソンさん
阿部菜穂子とジェイソンさん
イベントのきっかけは阿部菜穂子著の「チェリー・イングラム」の本(英語版)でした。
★2022年4月
阿部菜穂子が4月9日、南ウェールズの「ゴールデン・グローブ」で開かれた桜植樹式に参加しました。英国在住の日本人グループによってスタートした「桜プロジェクト」の一環で行われたもので、ゴールデン・グローブは20本の桜を受け取り、植樹しました。(桜は’染井吉野’、’紅豊’、’太白’の3種類)
植樹式の後、「チェリー・イングラム」の講演会がもたれました。
’紅豊(べにゆたか)’
植樹式
植樹式で
ゴールデン・グローブ
ゴールデン・グローブ敷地内のカフェで関係者と歓談
講演後、著書「チェリー・イングラム」にサイン。
★2022年3月30日
ロンドン郊外の王立ウィズリーガーデンで3月30日、桜の特別イベントが開催され、阿部菜穂子が「チェリー・イングラム」や日英の桜の交流について講演しました。
イベントでは、まずガーデンに多数植樹されている桜を鑑賞し、そのあと和食(5コース)の夕食会が持たれました。ガーデンに植樹されているのは、’白妙’ ’太白’ のほか、ヤマザクラや枝垂桜、多数の松前桜など。多くの桜が満開で、見事な光景でした。夕食会での講演も好評でした。
イベントの参加者の定員は100人でしたが、早い時期に満員御礼となり、日本の桜の人気の高さを示していました。
’白妙’ 桜
枝垂桜
ガーデン学芸員のマット・ポッテージ氏による´アコレ―ド’桜の説明
樹齢80年の山桜の前で
夕食会での講演
★2022年3月18日~
「チェリー・イングラム」の桜が100年経って日本に「里帰り」
日本で絶滅していた5品種の桜が、このほど英国から日本に里帰りしました。これらはすべて、「チェリー・イングラム」ことコリングウッド・イングラムが1920-40年代に英ケント州の自宅の「桜園」で育成した桜で、富山中央植物園の桜の専門家、大原隆明氏によって同植物園に導入され、100年ぶりに生まれ故郷の日本に帰りました。
里帰りしたのは、’ダイコク’、’アサノ’、’オオキクザクラ’、’ココノエザクラ’、’スミゾメ’ の5品種。大原氏は2017年に渡英し、英国で400種以上の桜を育成しているケント州のクリス・レーン氏の苗圃を訪ね、日本では消滅していたこの5品種を確認。富山中央植物園にこれらを導入して里帰りさせることを決めました。また、同時に、英国など欧州で開発されて日本にはない品種や、かつてプラントハンターが英国に持ち込んだ品種等10種類の桜も日本に初導入することにしました。
さっそく、富山中央植物園と友好関係にあるオックスフォード大植物園の協力を得て15品種の桜の穂木をクリス・レーン氏の苗圃から輸入し、接ぎ木をして「日本花の会」結城農場に委託して育てていました。
桜は順調に育ち、昨年から今春にかけてすべての苗木が無事に植物園に到着し、植樹されました。
「里帰り」桜のうち、’ダイコク’は、イングラムが1926年の訪日の際、すでに日本にはないことを知り、里帰りさせることを日本人に約束していました。イングラムは1932年に、純白一重の大輪の花をつける’太白’を里帰りさせたことで知られていますが、’ダイコク’については、里帰りが実現していませんでした。
また、’アサノ’は、1926年の訪日時にイングラムが富士山麓の村で発見した豪華なピンク色の八重桜で、その後イギリスで人気を博しましたが、日本には導入されずじまいでした。
イングラムが「日本にお返しする」と約束してからほぼ100年後に、里帰りが実現したことになります。
クリス・レーン氏はイングラム亡き後の、英国の新しい「桜守」の一人です。イングラムが英国に導入した桜はもちろんのこと、その後も多様な桜を導入し続け、現在では400種類を超す桜を苗圃で育てています。日本国外では最大の桜のコレクションを誇ります。
「チェリー・イングラム」が英国に根付かせた桜の伝統は、いまもしっかりと後継者に引き継がれ、今回のように「日本への里帰り」も実現するに至りました。
ほぼ100年ぶりに日本に里帰りした’ダイコク’
1926年にイングラムが発見した’アサノ’
「里帰り桜」のひとつ、’オオキクザクラ’
写真提供:富山中央植物園
桜の「里帰り」と「日本への初導入」を記念して、富山中央植物園では3月18日から4月20日まで、特別展示会「おかえり&はじめまして」が開催されています。英国から桜を導入したいきさつや、イングラム以来の英国の桜の伝統、日英の桜の交流史などを大がかりなパネルで説明、展示しています。
「お帰り&はじめまして」展示会場
’チェリー・イングラム」の業績も展示
イングラム著「観賞用の桜」(1948年)とともに阿部菜穂子著「チェリー・イングラム」日本語版と英語版も展示
クリス・レーン氏に関する展示
写真提供:富山中央植物園
★2022年3月17日
阿部菜穂子が3月17日夜、英国南部・ドーセット州のシェーボーンで「チェリー・イングラム」と日英の桜について講演しました。主催は「シェーボーン歴史研究会」で、170人が出席。ロンドンからはるばる聞きにきてくれた人も何人かあり、盛況でした。
★2022年3月
★2022年2月
「チェリー・イングラム」中国語版が出版されました。
本はこれまでに8か国語で出版されました。
★2021年11月
阿部菜穂子が11月29日、ケント州の旧イングラム邸「ザ・グレンジ」で開かれた桜の植樹式にゲストとして出席しました。
この日ザ・グレンジの庭に植えられたのは、’ダイコク’、´アサノ’、’ホクサイ’、’オカメ’、’ウミネコ’、’コリングウッド・イングラム’、’オータム・グローリー’、’ショーサー’ の9本。ザ・グレンジは現在、知的障害者の住み込みの施設になっていますが、入居者や施設関係者らが樹を植樹しました。
これらの桜は、すべてイングラムが1920ー30年代に日本から英国に紹介したり、創作した品種です。´アサノ’ は、イングラムが1926年の訪日時に富士山麓で発見した桜、’ホクサイ’ は、1919年にイングラムがザ・グレンジに入居した際、植えられていた桜で、イングラムの「桜熱」を最初に刺激した桜です。どれもかつては、イングラムの創った「桜園」で見られた桜ですが、1981年のイングラムの死後、枯れたり伐採されたりして失われていました。このほど、40年ぶりに「ふるさと」に戻ったわけです。
ザ・グレンジへの桜植樹は、現在イギリスで進行中の「日英桜植樹プロジェクト※」の一環として行われたもので、ケント州在住の植木業者、クリス・レーン氏が樹を準備しました。レーン氏は英国の桜の専門家でもあり、自身の苗圃に400種以上の桜を持ち、海外で最大の桜コレクションを誇っています。
※日本人から英国人に6000本以上の桜をプレゼントする民間プロジェクト。
ザ・グレンジの支配人、サラ・エドワードさんと阿部菜穂子
桜の苗を植えるザ・グレンジ関係者
ザ・グレンジ関係者と阿部菜穂子
英国の桜の専門家、クリス・レーン氏
植樹を記念してザ・グレンジが用意した「桜ケーキ」をカットするクリス・レーン氏と阿部菜穂子
★2021年9月
阿部菜穂子が英国・コッツウォルズのチッピングカムデンで開かれた文学祭で「チェリー・イングラム」について講演しました。コロナ禍で2001年春以来、このようなイベントはすべてオンラインで行われていたため、実際に会場に出かけて講演したのは1年半ぶり。英国では様々な催しが再開されています。
★2021年8月
スペインの新スポーツ・文化大臣のミケル・イセタ氏が「チェリー・イングラム」スペイン語版を「この夏のお勧めの本」として推薦しています。イセタ氏は仏教など東洋文化に興味を持っており、小林一茶や松尾芭蕉の俳句を好み、自らも俳句を作るということで、「最近読んだ面白い本」の中で「チェリー・イングラム」を挙げています。
El Diario の英語版の記事がここから読めます。→ https://www.eldiario.es/cultura/iceta-ministro-pasara-verano-prendido-haikus-tina-turner_1_8193652.html
ミケル・イセタ・スポーツ文化大臣
★2021年5月
•阿部菜穂子が英BBCの人気番組「The Great British Railway Journey 」に出演し、ホストの元防衛相で現TVプレゼンター、マイケル・ポーティロ氏をケント州の旧チェリー・イングラム邸に案内しました。マイケル・ポーティロ氏は1980年代のサッチャー政権下で防衛相を務めた有力政治家でしたが、その後TVプレゼンターに転身し、人気を博している人です。この番組で、ポーティロ氏は鉄道で英国中を旅し、由緒ある土地を訪ねて歴史や逸話を語ります。5月18日に放映された番組では、ポーティロ氏がケント州・ベ年ドンのチェリー・イングラムの旧住居「ザ・グレンジ」を訪ね、阿部菜穂子がイングラムの業績と日英の桜の歴史を語りました。
イングラムが1932年に日本に里帰りさせた「太白」の原木の前で。
•「チェリー・イングラム」スペイン語版が出版されました。
★2021年3-4月
○阿部菜穂子が米国のNPR(米公共放送)ラジオのインタビューを受け、世界の気候変動が桜の開花に与える影響について語りました。
インタビューは4月5日、同放送局の 'All Things Considered' という人気番組で放送されました。
インタビューはこの春、京都の桜(染井吉野)の開花が過去1,200年で一番早かったと報道されたことを受けて行われました。京都の桜の早期開花は、もっぱら地球温暖化が原因だと指摘されましたが、阿部菜穂子は、ことはそれほど単純ではないことを説明しています。
地球温暖化によって、実は桜の開花は遅れるのです。そして、その現象は九州南部ですでに起きています。
インタビューを聞くことができます。→リンクはこちら
○桜の季節を迎え、阿部菜穂子によるズーム講演会が3月23日と4月7日に開催されました。
•3月23日の講演はイギリスの大和日英基金の主催で、日本語で行われました。50人の定員をオーバーし、イギリスと日本から64人が参加、活発に質問も出て盛況でした。日本から東京など関東近辺のほか、岩手、秋田、京都、大分の方々が出席してくださいました。
•4月7日のイベントは、「チェリー・イングラム」ことコリングウッド・イングラムの旧住居「ザ・グレンジ」(ケント州ベネンドン)の主催で、英語で行われました。ザ・グレンジは現在、知的障害をもつ成人の住み込み施設となっており、施設運営のための募金チャリティイベントとして開催。まず阿部菜穂子がチェリー・イングラムの生涯について語った後、イギリスの桜の専門家、クリス・レーン氏がイングラムの桜について説明しました。こちらも盛況で、100人以上が参加して盛り上がりました。
•4月14日と23日に、さらにズーム講演があります。(どちらも無料)
14日はイギリスのWI(Women's Institute)主催で午後7時半(英国時間)から、英語で。
23日は英国日本人会「紅葉会」主催で、午後3時(英国時間、日本時間午後11時)から、日本語で。https://bit.ly/3a2rNKW
申し込みはこちらからhttps://bit.ly/3a0gumG
★2021年3月
95年目の'太白' 植樹――。
イギリス人園芸家の「チェリー・イングラム」ことコリングウッド・イングラムは1926年の訪日時に東京の桜の専門家、舩津静作さんに会い、日本で絶滅した‘太白’桜をイギリスから里帰りさせることを約束しました。しかし、舩津さんは、太白がイギリス・ケント州のイングラム邸から京都に里帰りした1932年を待たずに、亡くなりました。
東京在住の舩津家の友人で、桜研究家の樋口惠一さんがこのほど、京都に残る「3代目」太白から接ぎ木した「太白4世」を、舩津さんの曾孫の自宅の庭に植樹。静作さんの霊前に、静作さんの愛した太白が戻ってきたことを報告しました。
(東京新聞に記事が掲載されました。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/90004)
「太白4世」を舩津家の庭に植樹する樋口惠一さん(左)と静作さんの曾孫の妻、ヒデ子さん
イギリス・ケント州の旧イングラム邸に今も残る’太白’の原木 ’太白’の花
舩津静作さん(1926年当時) コリングウッド・イングラム
★2021年1月
「チェリー・イングラム」ポーランド語版が出ました。
★2020年11月
「さくら」をテーマにした美しいキルトが米国から届きました。作者はハワイ在住の米国人女性で、「チェリー・イングラム」米国版(The Sakura Obsession)を読んで桜のイメージを膨らませ、日本で仕入れた様々なきれを縫い合わせて着物型のキルトに仕上げたということです。チェリー・イングラムの広がりがまたひとつ、増えました。
★2020年10月
「チェリー・イングラム 日本の桜を救ったイギリス人」の英語版(米国版‘THE SAKURA OBSESSION’)が、このほど米国に基盤を持つ国際組織、植物学評議会(CBHL)の2020年優秀賞を受賞しました。
CBHLは植物の収集と保護を目的とし、植物・園芸分野での資料・情報の蓄積と提供を担う国際組織です。賞は毎年1回、「植物学、園芸分野の研究に重要な貢献をした書籍」の著者と出版社に与えられます。
「チェリー・イングラム」本 他の受賞歴
The Nihon Essayist Club Award, 2016 (第64回日本エッセイスト・クラブ賞、日本語オリジナル版、2016年)
BBC Radio4: ‘Book of the Week’ March 2019 (BBC ラジオ4‘ブック・オブ・ザ・ウィーク’ 2019年3月)
The Sunday Times: Best Gardening Books, 2019(英サンデー・タイムズ紙 2019年最優秀ガーデニング書籍)
NPR's Science Friday: Best Science Books, 2019(米公共ラジオ放送、2019年最優秀科学書籍)
The Irish Times: Best Gardening Books, 2019 (アイルランド・アイリッシュ・タイムズ紙 2019年最優秀ガーデニング書籍)
PopMatters: Best Non-Fiction Books, 2019 (ポップ・マターズーー米国で人気のあるポップカルチャーに関するウェブサイトーー 2019年最優秀ノンフィクション)
The Daily Mail: Best Books for Nature Lovers, Christmas, 2019 (英デイリー・メイル紙 2019年12月 自然愛好家に最適の書籍)
Woodland Trust: Best books of the Year 2019 (ウッドランド・トラストーー英国最大の環境保護団体――2019年最優秀書籍
★2020年3月
阿部菜穂子が2020年3月6日、イギリス・サフォーク州のクランブルック伯爵邸の庭園に桜を植樹しました。
初代クランブルック伯爵(1814-1906)は、イギリス・ケント州ベネンドン村に邸宅を持ち、パトロンとして村の発展に貢献しました。’チェリー・イングラム’ が住んでいた「ザ・グレンジ」は、かつての伯爵の邸宅の一部でした。
現在の第5代クランブルック伯爵はイギリス東部サフォーク州に住んでいますが、長男のジェイソン・ゲイソン=ハーディ氏が阿部菜穂子の著書 ’チェリー・イングラム’ 英語版を読み、イングラム家とクランブルック伯爵家の絆や、日本の桜が日英友好の歴史に果たした役割を知って感激。邸宅の敷地内に桜を植樹しようと思い立ちました。
3月6日の植樹式には、伯爵夫妻とゲイソン氏のほか、伯爵の次男夫妻や地域住民らが出席。阿部菜穂子と夫のポール・アディソン、コリングウッド・イングラムの孫のピーター・イングラム氏夫妻、ピーター・イングラム氏の姉、ヘザー・ボワイエさん夫妻が加わり、イングラムゆかり
の ’ホクサイ’、’クルサル’、’太白’ を植樹しました。
’ホクサイ’ は「ザ・グレンジ」の庭に植樹されていた桜で、イングラムが日本の桜に興味をもつきっかけとなった桜です。当時のイギリスでは名前がなかったため、イングラムが葛飾北斎にちなんで ’ホクサイ’ と名づけました。初代クランブルック伯爵が19世紀半ばに植えたものと思われます。
イングラムが「ザ・グレンジ」に住み始めて、最初にホクサイが花をつけたのは1920年の春。ちょうど100年前のことです。植樹式は、クランブルック伯爵の桜がきっかけで、イングラムが日本の桜に目覚めたことを記念する機会となりました。
’クルサル’ はイングラムが人工交配により創作した品種、’太白’ は日本で消滅した桜をイングラムが1932年に里帰りさせたものです。
長男のゲイソン氏は以前からの桜の愛好家で、これまでに50本の桜を敷地内に植えています。イングラムの創った品種 ’オカメ’ や ’白妙’ のほか、新しい松前桜の ’松前フキ’ など、多様な桜が植樹されています。
クランブルック伯爵(左)と長男のゲイソン氏が’ ’ホクサイ’ を植樹
阿部菜穂子とポール・アディソンが ’クルサル’ を植樹
ヘザー・ボワイエさんとピーター・イングラム氏が ’太白’ を植樹
植樹式に参加したゲイソン=ハーディ家とイングラム家の人々、グレイト・グレンハムの地域住民たち
(左から)ゲイソン氏、クランブルック伯爵、阿部菜穂子 ヘザー、ピーター、阿部菜穂子、クランブルック伯爵
阿部菜穂子、ゲイソン氏、ピーター・イングラム氏 阿部菜穂子、クランブルック伯爵
★チェリー・イングラムのイタリア語版とドイツ語版、オランダ語版が出版されました。
イタリア語版 ’PASSINE SAKURA' (Bollati Boringhieri社刊)
ドイツ語版 ’Hanami'
オランダ語版 'SAKURA'
オランダ語版は出版後、数週間にわたって「ベストセラー・トップ10」入りしました。
★このほか、スペイン語版とポーランド語版が2020年秋に出版されます。また、中国語版(日本語版オリジナルからの翻訳)が2021年に出る予定です。
英米では、2020年2月と3月に文庫本が出ました。
イギリスの文庫本
アメリカの文庫本
チェリー・イングラム英語版 「'Cherry' Ingram The Englishman Who Saved Japan's Blossoms」が2019年3月21日に英語圏の国々(イギリス、オーストラリア、カナダ等)で出版されました。
数日後にアメリカでも 「The Sakura Obsession」 のタイトルで発売されました。
英語版は、イギリスでBBC Radio 4 の 'Book of the week' に選ばれて3月18日ー22日の1週間、毎朝朗読され、大きな反響を呼びました。 https://www.bbc.co.uk/programmes/m0003cpp/episodes/guide
また、イギリスの高級紙ガーディアン紙、テレグラフ紙、フィナンシャル・タイムズ紙、エコノミスト誌、アメリカのワシントンポスト紙、ウォールストリートジャーナル紙等主要な新聞、雑誌に書評や記事が掲載され、高く評価されています。
書評の一覧はこちら:http://naokoabe.com/index.php/en/cherry-ingram
阿部菜穂子が5月23日、ロンドンで開催中のチェルシーフラワーショー(5月20日―25日)で「チェリー・イングラム」英語版のサイン会をしました。
★本の発売以来、阿部菜穂子はイギリスとアメリカで講演旅行を続けています。
そのいくつかをご紹介します。
2019年4月 米国ツアー (4月9日―22日)
•ニューヨーク
NPR(National PUblic Radio) の人気番組 'Science Friday' に出演(4月12日)。番組終了後、スタジオでキャスターのIra Flatowさんと。
•ワシントン
国立樹木園で講演(4月15日)
•ロサンジェルス
国際交流基金ロサンジェルス事務所ホールで講演(4月18日)
•グレンデール(ロサンジェルス郊外)
グレンデールの日本庭園で。
2019年3月
•湖水地方で開かれたLiterary Festival ' Words by the Water' で講演.
•スコットランド・グラスゴーで開かれたLiterary Festival ' Aye Write Festival' で他の著者と一緒にスピーチ。
•ロンドンの大和基金で講演。
•出版記念パーティ 3月26日、ロンドン Bloomsbury の書店 'London Review Bookshop' で。
サイン会
イングラム家の人々も大勢出席。
<ニュース>
「チェリー・イングラム」英語版がいよいよ2019年3月にイギリスとアメリカで発売されます。
ーーペンギン・ランドムハウス社傘下のイギリスの出版元「チャットー &ウィンザス」社がウェブサイトに本を掲載しました。(購入の予約ができます)
https://www.penguin.co.uk/books/111/1113848/-cherry--ingram/9781784742027.html
ーーアメリカ版は ’THE SAKURA OBSESSION' のタイトルで発売されます。アメリカの出版元はペンギン・ランドムハウス社傘下の Knopt社です。
https://www.penguinrandomhouse.com/books/558474/the-sakura-obsession-by-naoko-abe/9781524733575/
2018年4月16日、阿部菜穂子がロンドン市内で「チェリー・イングラム」について英語で講演しました。日英の文化交流を進めるイギリス人の団体「ジャパン・ソサエティ」主催の講演会で、定員100人のところ満席でした。
講演では、コリングウッド・イングラムが日本の桜の虜になったいきさつや、20世紀初めにイングラムが日本に「桜行脚」に行ったときのことなどを話しました。また、1000年以上にわたる日本の桜の歴史や、1930年代から第二次世界大戦を通じて桜が戦争イデオロギーに利用されたことにも言及しました。
注目されたのは、会場にコリングウッド・イングラムの子孫32人が来ていたことです。主にイングラムの孫やひ孫たちですが、イングラムの長兄ハーバート・イングラムの孫たちも来ていました。彼らは北部チェシャー州や南西部サマセット州など、イギリス各地から遠路集まり、講演に聴き入りました。講演後、イングラム家の人々は「知らなかったことばかりだった」「祖父が当時、何を考えていたのかを初めて知った」などと、感想を述べていました。
旧イングラム邸「ザ・グレンジ」のスライドを見せながら講演
講演後、イングラム家の人々と記念撮影
近著「チェリー・イングラム 日本の桜を救ったイギリス人」(阿部菜穂子著)が2016年3月8日、岩波書店から発売されました。
★「チェリー・イングラム」は2016年6月、第64回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞しました。
<ニュース>
世界にはばたく「チェリー・イングラム」!
「チェリー・イングラム」の英語版が出版されることになりました。日本語の本を元に、新しい材料を盛り込んで英語で全面的に書き直します。英語版は2019年春、ペンギン・ランドムハウス傘下のイギリスの出版社「チャットー&ウィンザス」社から出版される予定です。
そしてその後、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポーランド語に翻訳されることが決まっています。
★「チェリー・イングラム」の日本エッセイスト・クラブ賞の授賞式は、2016年6月29日に都内の日本プレスセンタービルで行われました。



- 「チェリー・イングラム」がテレビ放映されました。
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「チェリー・イングラム」は、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞など各紙で大きく報道されています。 続きはこちらから
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作家の池澤夏樹氏が「週刊文春」(2016年6月9日号)で「チェリー・イングラム」を絶賛しました。
これから梅雨入りと言う時期に桜の本を読んだ............全文ダウンロード
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「チェリー・イングラム」がイギリスの新聞で取り上げられました。.........リンク
● 「チェリー・イングラム」が在英の日本語情報誌「ニュース・ダイジェスト」で記事になりました。
http://www.news-digest.co.uk/news/features/15355-collingwood-ingram.html
「将来日本人は、もっとも美しい桜をヨーロッパやアメリカで再発見することになるだろう」
知られざるイギリス人「桜守」の稀有な生涯を描く、渾身の書き下ろしノンフィクション!(本の帯より)
桜はイギリスでは生命(いのち)の再生を知らせる春の花です。復活祭をはさんで、じつに様々な品種の桜が咲き誇ります。 この多彩な桜の風景の背景には、ひとりのイギリス人園芸家がいました。 「チェリー・イングラム」は日本の桜を愛し、20世紀にイギリスで桜を広めたコリングウッド・イングラム(1880-1981)の生涯をつづった本です。 (目次とプロローグはこちらから-岩波HPより)

大英帝国の末期に活躍した園芸家、コリングウッド・イングラム。桜の魅力にとりつかれた彼が遠路訪れた日本で目にしたのは、明治以後の急速な近代化と画一的な‘ 染井吉野’ の席巻で、日本独自の多種多様な桜が消えようとする姿だった。「日本の大切な桜が危ない!」意を決した彼はある行動に出た―。「桜守」舩津静作など多様な桜の保護に尽力した日本人との交流や、日英のかけ橋となった桜という「もの言わぬ外交官」をめぐる秘話もエピソード豊かに織り交ぜながら、「日本の桜の恩人」の生涯を辿る。 (岩波書店作成の「新刊案内」より ダウンロード)
※チェリー・イングラムはこちらから購入できます。https://goo.gl/U0SMvt
在英の方は阿部菜穂子本人から£20+郵送料£2で購入できます。このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 までご連絡ください。